北陸の郷土食

たくさんある北陸の郷土料理
  • あじのすす

    石川県

     旧能都町(現能登町)に伝わるなれずしで、小アジがたくさん捕れたときに保存食として作られてきた。
     7月のあばれ祭りに向け、仕込みは5月に行われる。「すす桶」と呼ばれる専用の桶に塩をふって山椒の葉を...

  • いとこ煮

    富山県

     ダイコン、ニンジン、サトイモ、ゴボウなどの野菜に、油揚げ、コンニャクなどの具をたっぷり入れてやわらかく煮た中に、前もって下煮しておいた小豆を加え、味噌、しょう油などで味つけしたものが、富山の郷土料理...

  • 今庄のつるし柿

    福井県

     全国的に珍しい、燻製した干し柿。北国街道の宿場町今庄宿があった南越前町の名物で、かつては江戸時代の参勤交代で訪れた旅人が携帯保存食として買い求めたとされ、今庄のつるし柿を食べれば「一つ食えば一里、三...

  • 打ち豆

    福井県

     収穫された大豆を石臼の上に置き、木槌でつぶして乾燥させたものが福井県の郷土食のひとつ「打ち豆」。普通の大豆と違ってあらかじめ手を加えてあるので、使うときも早く煮え、栄養価も高いことから福井県では多く...

  • 越前おろしそば

    福井県

     越前おろしそばは、少し黒っぽくて素朴な雰囲気のそばにダシと大根おろしをたっぷりかけた逸品。
     そばの質は緯度と関係があり、北緯36度線から38度線の地帯が、味・風味ともに優れたそば粉が多いといわれ...

  • おせずし

    富山県

     魚津では春祭りやたてもん祭りなどの行事食、晴れの食としてよく作られてきた。
     押し寿しの一種で、それがなまったのが名前の由来とされるが、一面にのりを貼り、四角くて黒い豪快な姿には目を見張る。
     ...

  • 海藻料理

    石川県

     能登の肥沃な海でとれるさまざまな海藻類。輪島では、その海藻を利用した料理が盛んに食べられている。
     地元では海藻は「ぎんばさ」「あおさ」などの方言名で呼ばれ、味噌で味付けして割り箸に巻き付けて焼い...

  • 加賀麩

    石川県

     加賀麩は藩政期から保存食として愛用され、その後時代の変化とともにさまざまな趣向が施されて金沢を代表する食文化のひとつとして発展してきた。
     金沢は京都と並んで生麩・飾り麩の産地として知られる。生麩...

  • 柿の葉ずし

    石川県

     あちこちの田んぼで稲刈りが行われる初秋。全国的に、収穫に感謝する秋祭りで賑わう時期でもある。このような秋祭りでは、その土地独自のごちそうを見ることができる。
     この時期、加賀市の各地で、庭木として...

  • かた豆腐

    福井県 石川県 富山県

     富山・石川・福井の白山麓には「かた豆腐」(店や場所により、「かた」は「固」や「堅」を使うこともある)という木綿豆腐よりもはるかに硬くてどっしりとした豆腐がある。五箇山ではその硬さから「枕にした」とか...

  • かぶら寿司

    石川県 富山県

     塩漬けしておいたかぶら(カブ)の輪切りに寒ブリの身をはさみ、麹で漬け込み発酵させたなれずしの一種。石川県の郷土食としてよく知られており、富山県でも食されている。富山県西部ではサバ、東部ではサケをはさ...

  • かんもち・かきもち

    富山県

     「かんもち」とは「寒餅」と書くように、ついた餅を極寒の時期に自然乾燥させたもので、もともと農村で保存用に作られ、重宝なおやつとして焼いて食べられてきた。立山町では食の伝承グループ「食彩工房たてやま」...

  • 黒作り

    富山県

     イカの黒作りは、イカの塩辛にイカ墨を入れて、黒くしたもの。なぜこれが富山の名物として定着したかは諸説があるが、加賀藩主が参勤交代のおりに将軍家に献上したことを記した文書が残り、江戸時代にはすでに名産...

  • 呉汁

    福井県 富山県

     大豆を一晩水に浸しすりつぶしたものを呉(ご)といい、それを味噌汁に溶かしたものを呉汁(ごじる)という。地域によっては乾燥させ挽いた大豆を粉状にした豆粉を使うところもある。呉汁は報恩講での精進料理のひ...

  • 小鯛のささ漬け

    福井県

     淡白で上品な味わいが魅力の若狭小鯛。小ぶりの若狭小鯛を3枚におろし、酢と塩で軽く調味して杉樽に詰めた「小鯛のささ漬け」は若狭を代表する名産品。杉樽が魚の余分な水分を吸収し、旨みを凝縮する短期熟成の調...

  • 昆布〆

    石川県 富山県

     昆布で締めた刺身。北陸の幅広い地域で食べられている。昆布で締められているため、昆布のうまみが刺身に移るとともに、通常の刺身よりも日持ちする。タラやタイ、ヒラメ、カジキマグロ(石川県では通称サワラ、富...

  • 昆布巻き

    福井県 富山県

     かつて北前船の寄港地として栄えた敦賀の名物料理で、北前船の主要な交易品だった蝦夷の身欠きニシンを芯に、昆布を巻き甘辛く煮付けたもの。酒と砂糖、醤油で味付けし、柔らかく煮ることで昆布とニシンの旨みが溶...

  • ごぼう講

    福井県

     越前市国中町では、毎年2月17日に「惣田正月十七日講」とも呼ばれる奇祭「ごぼう講」が行われる。この祭は江戸時代中期、領主には内緒で作った隠し田の収穫を喜んだ男たちが密かに集まり、ゴボウをおかずに食事...

  • ごまどうふ

    福井県

     今から約750年前、道元禅師により座禅修行の道場として創建された曹洞宗大本山永平寺。この寺では、現在も多くの雲水たちが禅宗の厳しい作法に従って修行を営んでいる。日常生活の全てが修行となる永平寺では、...

  • ころ柿

    石川県

     ころ柿(枯露柿)とは、干し柿のこと。もともと冬の軒下に吊るして天日で乾燥させて作っていた物に、近年は様々な工夫をし、より良質なころ柿を製造している。名前の由来としては、まんべんなく柿が日に当たるよう...

  • コンカイワシ

    石川県

     庶民的な魚の糠漬けとして愛される「コンカイワシ(米糠イワシ)」。雪国・北陸の暮らしの知恵からうまれた保存食で、糠漬けの熟成に必要な、乳酸発酵を促進させる高温多湿の夏の環境を巧みにいかした逸品である。...

  • 昆布

    富山県

     富山は昆布の消費額が日本一。それは全国の3倍というから驚く。昆布は国内生産の90%以上が北海道産であり、富山で採れるわけではない。では、なぜこれほどまでに富山県民は昆布を消費するのだろうか?
     昆...

  • 笹寿司・押し寿司

    石川県

     「笹寿司」とは、その名の通り笹で包まれた押し寿司。サケやタイ、サバなどの魚介類をはさむ。
     もともと石川県では、祭りのときに押し寿司を作る習慣があり、春はイワシ、秋は塩サバやシイラなどの魚を使い、...

  • さといも赤飯

    福井県

     全国的にも有名な奥越のさといも。大野市の森山地区では、そのさといもをころ煮にして、もち米・小豆といっしょに蒸した「さといもの赤飯」が作られている。さといもともち米とが相まって、独自の甘味を出しもちも...

  • 鯖のなれずし

    福井県

     「鯖のなれずし」は、小浜市の沿岸部にある内外海地区に伝わる郷土料理で、同地区の冬場、特に正月には欠かせない逸品である。なれずしは、主として魚介類を塩と米飯を混ぜて乳酸発酵させた保存食品であり、若狭の...

  • シタダメ

    石川県

     シタダメは、コシダカガンガラやクボガイなどの小さな巻き貝の総称で、シタダミと呼ぶ地域もあり、地域ごとに呼び方が微妙に変わる。
     塩ゆでしたものから針で身を取り出してそのまま食べたり、佃煮風に甘辛く...

  • 治部・治部煮

    石川県

     治部(じぶ)は石川県金沢市を代表する郷土料理のひとつ。江戸時代から伝わり、武家から庶民に至るまで広く親しまれた。その味わいは現代にまで受け継がれ、治部あるいは治部煮(じぶに)と呼ばれて金沢の地に根づ...

  • すこ

    福井県

     清流九頭竜川の恵みを受け、さといもをはじめ、様々なおいしい野菜が収穫される大野市。大野市と言えば美味しい里芋の産地として有名だが、その里芋の中でも主に茎部分を使用する八ツ頭芋の酢漬けが「すこ」である...

  • ソースカツ丼

    福井県

     一般的にカツ丼というと、誰もが揚げたカツを卵でとじたものを想像する。しかし福井では、カツ丼といえばソースで食べるソースカツ丼である。
     福井のソースカツ丼の歴史は大正時代にまでさかのぼる。福井市内...

  • 鯛の唐蒸し

    石川県

     「鯛の唐蒸し」は金沢の郷土料理のひとつで、二匹の鯛の腹に卯の花(おから)を詰めて大皿に並べたもの。婚礼に際して供されるおめでたい料理で、「にらみ鯛」や「鶴亀鯛」と呼ばれることもある。嫁入り道具ととも...

  • たら汁

    富山県

     スケトウダラは1年を通して獲れ、その中でも寒の時期、特に産卵を迎えた年内は、オスは白子、メスは真子がお腹にたっぷりつまっていて格別。そんなスケトウダラを使った名物料理がタラ汁で、もともとは沖に出た夫...

  • 利賀そば

    富山県

     富山県内では中山間地を中心にそばの栽培が行われているが、その生産地として知られるのが、南砺市利賀村である。
     かつて、ひえやあわなどとともに、そばはこの村の重要な産物だった。しかし、米の栽培技術が...

  • どじょうの蒲焼き

    石川県 富山県

     どじょうを開いて串刺しにし、甘辛いタレをつけて蒲焼きにしたもの。石川県金沢市近郊のほか、富山県旧福光町・旧城端町(ともに現南砺市)で食されている。
     泥を吐かせたどじょうを生きたまま目打ちし、頭か...

  • 富山干柿

    富山県

     富山県南砺市の福光・城端地域では、地元産の「三社柿」を使った「つるし柿」が古くから作られており、富山名産「富山干柿」の名で全国に知られている。
     三社柿は生食用の柿ではなく、干柿に使われる渋柿。干...

  • なすびとそうめんのおつけ

    富山県

     富山で、夏定番のみそ汁(おつけ)といえば「なすびとそうめんのおつけ」で、どこの家庭でも、夏の食卓に欠かせない一品である。石川県にも、ナスとそうめんを使った料理に「なすびとそうめんの煮物」があるが、醤...

  • なれずし

    富山県

     なれずしは、魚の保存法として発展したもので、富山県でもアユやサケ、サバなどが昔からなれずしにされてきた。なれずしは、酢を使わず、米と塩、米麹などで発酵させて作られる。アユは神通川、庄川が漁場となって...

  • にしんの糀漬け

    富山県

     富山県では、江戸末期から明治期に北前船により北海道から昆布とともに身欠き鰊が持ち込まれ、「にしんの昆布巻」に代表される数々の鰊料理が作られてきた。中でも栄養価の高い保存食として食べられてきたのが「に...

  • 煮たくあん

    福井県 石川県 富山県

     古たくあんを煮付けた郷土料理。温めても冷ましてもおいしく食べられる煮たくあんは、素朴な味わいで酒の肴やご飯にもよく合う。
     通常たくあんは、その年の暮れに漬け込み翌春から秋にかけて食べられるが、こ...

  • 灰付けわかめ

    富山県

     ワカメに灰をまぶして干す「灰干し製法」は、江戸時代に考案された技術で、灰によってワカメに含まれている酵素の働きを抑え、変質を防ぎ長期間の保存が利くようになる。灰干しワカメの産地としては瀬戸内海の鳴門...

  • はまなみそ

    福井県

     冬限定の福井のふるさとの味、はまなみそ。大豆を蒸煮したものに炒ったひき割小麦、または裸麦を加え、こうじ菌を培養したものや米こうじを加え発酵・熟成させもろみにして、揚げなすやしその実、白ごまなどを加え...

  • 浜焼き鯖

    福井県

     若狭地方にはおいしい鯖料理が伝承されているが、特に小浜市内で見られる「浜焼き鯖」は、全国的にも有名だ。脂ののった鯖を竹串などに刺して一本丸ごと豪快に焼き上げ、生姜醤油や大根おろしでさっぱりといただく...

  • ふぐの糠漬け・粕漬け

    石川県

     石川県ではゴマフグやサバフグなどで作られる「ふぐの糠漬け・粕漬け」が名産品となっている。中でも猛毒の卵巣を漬けた「ふぐの子糠漬け・粕漬け」は、日本国内で唯一、石川県だけが作ることを許可されている特別...

  • へしこ

    福井県

     若狭地方の伝統食「へしこ」。へしことは魚の糠漬けのことで、この独特の珍味は、全国的にも人気が高まっている注目の逸品。その語源は、重石をかけて漬け込む「圧し込む(へしこむ)」という言葉がなまったからと...

  • 報恩講料理

    福井県 石川県 富山県

     浄土真宗では、親鸞聖人の命日にその遺徳を偲んで営む仏事を「報恩講」といい、真宗王国といわれる北陸では、厚い信仰のもと、命日の前後になると各地で報恩講のお勤めが行われる(※東本願寺では11月28日、西...

  • ほおば飯

    福井県

     その昔、田植えが終わるとそのお祝いのごちそうとして食べられた「ほおば飯」。熱いご飯にきな粉をまぶしほう葉で巻き、重石で押しただけという単純なものだが、きな粉ごはんとほお葉の香りが交ざり合い、なんとも...

  • ます寿し

    富山県

     富山の名物として人気のあるます寿し。しかし、富山ます寿し協同組合に加盟する店だけで14軒もあって(県内では30軒以上あるといわれる)、それぞれの店が秘伝の作り方で自慢の味を競い合っていることは意外と...

  • みそかんぱ

    富山県

     新潟県との県境に接する朝日町に伝わるみそかんぱ。
     もともとは、山仕事(炭焼き)で山ごもりの間、男たちが食べていたものである。杉板の棒に小判型で少しこげたご飯と、その表面にはごまみそが塗られて、香...

  • みょうが寿し

    富山県

     富山市(旧大山町)小佐波地区で採れるみょうがは、普通のみょうがよりも鮮やかなピンク色で、食感はシャキシャキと歯ごたえがあり、香りも良くて「小佐波みょうが」として知られている。
     同地区では、地元産...

  • もみわかめ

    福井県

     もみわかめは、三国町の知る人ぞ知る特産品。ほろほろと軽いわかめの粉はビンに詰められ、家庭用のほか贈答品としても多く出回る。5月になると、岩場でとれた新鮮でおいしいワカメを、三国の町のあちこちでコモ(...

  • 門前そば

    石川県

     石川県輪島市門前町で食べられるそばは周辺の山々で採れる自然薯(山芋)を皮ごとすり下ろし、そば10に対して自然薯6の割合でつなぎに使う。小麦粉の代わりに自然薯を豊富に使うことで香りが良く、ツルツルとし...

  • 焼き厚揚げ

    福井県

     1世帯あたりの油揚げ類消費全国1位を誇る福井の名物料理。もともと浄土真宗の門徒たちの行事である報恩講料理に厚揚げが使われ、報恩講の昼食時には必ず油揚げ料理が添えられていた。その他、お祝いの席にも厚揚...

  • 焼き鯖寿司

    福井県

     酢飯の上に浜焼き鯖がのった押し寿しで、福井名物の焼き鯖寿司。今ではスーパーや高速道路のサービスエリアでも販売され、寿司屋や料亭、回転寿司、居酒屋などの飲食店のメニューとしても定番化されている。そんな...

  • よごし

    富山県

     ダイコンの葉やナスなど、野菜をゆでて細かく切り、味噌で味つけしたもの「よごし」という。味噌で野菜を「汚す」という行為が料理名の由来ともいわれている。富山県内ではどの地域でもよごし料理があるが、材料と...

北陸の食物語

日本海が美味い魚を育む
なぜ北陸の魚は美味いのか?その答えを陸上と海底の地形、そして水の流れと水塊構造から語る。
北陸は発酵食づくりに最適
発酵食品の牙城とも言われる北陸。酒や調味料からハレの日のご馳走まで、幅が広く質も高いとされる北陸の発酵食の背景をさぐる。
北陸の豊かな食の歴史
海に面し、山を背負った北陸地方。その食文化の歴史を「海の道・山の道」での交流を中心に振り返る。